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■ 2004年12月19日(日) 14:00 「子午線の祀り」@世田谷パブリックシアター 作:木下順二 演出:観世榮夫 出演:野村萬斎、高橋恵子、嵐広也、観世榮夫 他 とりあえず長かった…14:00開演で18:10終演(途中休憩20分)。とっても戯曲的で文学的。キャストそれぞれの台詞になると比較的分かりやすい言葉づかいなんだけど、集団で情景描写をするようなところは古典文学をそのまま朗読しているような状態なので、結構難しい。ただ観ていて楽しめるというものではなく、かみくだいて理解して、解釈していかないと楽しめないもの、という感じ。最初の1時間ぐらいは難しすぎるかなぁ…と思いながら観ていたんだけど、そのぐらいを過ぎるとだんだんと理解できるようになっていった。幕ごと?に登場する語り手(現代の語り手と、昔の語り手がいるんですが)が、源平の時代も現代も変わりない宇宙の在り様や星の運行について語ると、途端に空間がすーっと広がっていくようなスケール感が現れる。あー、こういうのが芝居っぽくていいなぁと思いました。私は舞台芸術にトリップ感を求める人なので、そういう風に上手く観客を引き込んでいくものがあるといいなと思います。この作品の場合にはトリップ感と言っても、その時代にスリップしてしまったような感覚になるのではなく、宇宙の大きな流れの中でひとつの時代を遠くから見下ろしているような感じ。 念願の、萬斎さんの着物姿が生で見られました。キャスト全体が着物が様になる方々ばかりだったので(笑)、萬斎さんだけ着物がどうのということは実はなかったのですが。それにしても美しかった。萬斎さん出演の舞台を観るのは3回目ですが、今回が一番近かったのかな…そうですね。1階の左サイドでしたが、中央より前で観てましたからとても近くて表情までよく分かりました。舞台メイクもあるかもしれませんが、改めて、ほんとにきれいな人だなぁと思いました。(普段は、きれいだけど、どちらかというと個性的なお顔だと思ってるもので。)ずっと横顔を眺めるようなシーンがあると、じーっと見ていて、その造形の美しさと漂う気品に結構びっくりしますね。変な言い方ですけど、王子様っぽいなぁと。舞台上で、びしっと表情が締まっているっていうのもあるんですけど。品が漂うお顔ってすばらしいですね。 印象に残った台詞は(厳密に言うと台詞の一部は)、高橋恵子さん演じる影身が言った「北斗の七つ星」。(もしかしたら、高橋さんが語り手になったところだったかも??)単に、自分の心に現れた七つ星ということばが好きなだけなんだけど、あー、ほんとに実際に使うことのあることばなんだなと思って。初めて聞きました。 ■ 2004年12月11日(土) 13:00 「ロミオとジュリエット」@日生劇場 作:W.シェイクスピア/翻訳:松岡和子 演出:蜷川幸雄 出演:藤原竜也、鈴木杏 他 昨年11月の「ハムレット」以来の蜷川さん+竜也さん+杏ちゃんでした。(振り返ってみると、何気に蜷川さん作品は結構観てますね。)全体的な感想としては、ものすごく感動ということはなかったけど、若々しくさわやかで良かったと思います。舞台上のセッティングは一面に屏風を広げたような背景に、テラス状の2階が一段作ってあるような感じ。屏風一面に無数の人物ポートレートが広がっていたのですが、何を表現したかったのかは私にはいまいち伝わってきませんでした。でもこのテラス状の2階は、街並の奥行になったりお屋敷の回廊になったり、ジュリエットのバルコニー、窓になったり、とても効果的に使われていて良かったと思います。それから衣装ですが、ロミオが着ていた、丈が短めで裾がややロールアップになっているニット、ハムレットが着ていたのとよく似てるなぁと思いました。ボトムは黒いパンツをはいているんだけど、その上に巻きスカートのようなものを巻いている時があって(ハムレットもあったなぁ)、剣を交わしたりダンスをしたりするとひらひらときれいなんですよね。ああいうニットも巻きスカートも蜷川さんの好きなアイテムなのかなと思いました。ロミオのモンタギュー家は黒、ジュリエットのキャピュレット家は白、中立の立場であるヴェローナの太守?は赤、という色分けでした。私はこういう分かりやすい色分けは好きです。そして、ロミオのイメージカラー?はグリーン。(ニットの中に?グリーンの長袖Tシャツみたいなのを着ていて、途中でニットを脱いだんだったかな?)ブラック×ホワイトの中でグリーンがくるくると動いて、生き生きとして見えました。 芝居として一番ウケていたのは、ジュリエットと思いが通じ合ったロミオが、ステージ中央で足をバタバタとさせてのたうちまわり「しあわせだぁぁぁ〜」と一人で悶絶するところ。私もいいと思いましたよー。そうそう、嬉しいって、しあわせって、そういうものよねー。って同感です。芝居ということでもうひとつ、一緒に朝を迎えたロミオとジュリエットが別れるシーン。別れたくない二人、ひたすらに愛を確かめたい二人は、右に左にただ何度も抱きしめ合うしかないのかなぁ。実際にそうなのかもしれないけど、ただ抱きしめ合う以外に表現方法はないのかなぁと思ったりしました。激しく抱きしめ合うことだけが、離れ難い、若い二人の愛情表現。それか、抱きしめるだけでは満ちたりないのに、それしか術のないもどかしさ。の表現なのでしょうか。 印象に残った台詞は、ジュリエットが仮死状態になる薬を飲み干す瞬間に言った「愛よ、私に強さをください」。その前には、薬を飲んだらああなる、こうなる、という想像をいろいろと巡らせて、一人でひたすら恐がるのだが、最終的にその一言で飲み干すというのがいいなと。劇中ではかなり立場も性格(まだ幼い少女なので)も弱いものとして描かれているジュリエットが、愛によって強くなるのだなと印象付けられた台詞でした。 芝居や演出がどうのという話ではないんだけど、冒頭のかなり長い間、美しいことばを尽くして褒め称えるほどロザリンドに夢中で、人生に苦悩していたロミオが、あんなにもころっと心変わりしてしまうのはナゼなの??と激しく疑問に思った。一瞬で心変わりしてしまうほどジュリエットがすばらしいんだよ、ということなのかもしれないけど。(または、実は若者の心なんて変わりやすいんだよということなのかもしれないけど。)あんなにも美しいことばで形容され続けたロザリンドの立場ったら無いなぁと思う。かわいそうじゃんねぇ。でも、逆説的にも思う。実は、人生一度ぐらい運命の相手を間違えそうになることもあるんだよ、と。ロミオは、ロザリンドこそ自分の運命の相手と信じきっていたけど、あー、実は違ったんだ!!!と、発見する。そういうこともあるんだよ、ということかなと思いました。うんうん、そういうこともあるんでしょう。 全編通してロミオとジュリエットの悲恋、激しく疾走する愛が描かれているけど、最終的に行き着いたところは、モンタギュー家とキャピュレット家の和解。シェイクスピアの言いたかったことは、こんな悲恋がありました。でも悲しみの末に両家の和解というすばらしい結果にたどりつきましたよ、というハッピーエンドなのかなぁ。今回の公演を観終わった印象では逆に、対立する二つの勢力の和解は、こういう大きな犠牲を払わないと成し得ないものですよ、と言われているような気になりました。どうだろう…。それから、竜也さんはロミオを演じることにかなりこだわりを持って臨まれているようでしたが、ハムレットほど当たり役ではなかったなと思いました。もちろん、さすがの演技で、シーンごとのテンポ感や台詞まわしにはやはり引き込まれるものがあるし、役を自分のものにしていて、竜也さん独自のロミオ像を演じきられたと思います。それでも目からウロコな感じだったハムレットに及ばないと思うのは、きっとハムレットがすばらしすぎたんでしょうね。演じた側と観た側の満足はまた違うのかもしれませんが。 ■ 2004年11月3日(水) 17:15 ミュージカル「ミス・サイゴン」@帝国劇場 作:アラン・ブーブリル 音楽:クロード=ミッシェル・シェーンベルク 出演:市村正親、松たか子、井上芳雄、岡幸二郎、ANZA、戸井勝海、高島みほ、他 市村さんと岡さんが結構好きで、井上さんの歌を聴いてみたくて、松さんの演技を見てみたくて、がんばってスーパーキャストなこの日に観に行きました。全体的な印象としては、歌がきついなぁ…。普通、ずーっとこんなきつい歌い方なの??と、一緒に行った友人に思わず聞いてしまいましたが、いやいや、それは演出によるだろう。ということになりました。私の印象ではどのキャストも、歌のほとんどがずっと張り上げる系のきんきんと尖った印象だった。なんか痛々しいというか…。松さんは歌上手いなぁという印象だったし、井上さんもすてきだなぁと思ったんだけど、お二人のデュエットでも、どうも甘く美しいというよりは、尖って痛々しい印象が否めませんでした。聴かせる歌というより訴える歌、という感じかなぁ。これはほんと作り方によると思います。キャストの方々が、そういう歌い方しかできない方々とはとても思わないので。趣味の問題ですが、私はもっと甘いものは甘く、はかないものははかなく、痛々しいものは痛々しく、厳しいものは厳しく、メリハリがある方が好きです。ずっと尖っているのは聴いていてちょっと疲れるなぁ、と思いました。そんな中で、(ゆっくり聴かせるのは1曲しかないけど)岡さんの歌声はゆったりと聴けました。やっぱり、もっと聴きたいなぁと思わせます。 キャストのことを言うと、(トリプルやクワトロで)この役はこのキャストが良かった、というような評判をいろいろと聞くし、それぞれに味があって面白いのだろうと思います。主役はキムじゃないのかなぁ…と思うんだけど、とりあえず私が観た日は、最終的にエンジニアが全部持ってった感があります(笑)さすが市村さんで、存在感だけで本当に主役級なんだけど、ミス・サイゴンのまとめとしては、うん?それでいいのかな??とちょっと疑問ではあります。演技も歌もすばらしくて楽しめたのでいいんですけど。(でもチラシとかでは、一番上にエンジニアが載ってます。主役??) セットや衣装も豪華で、転換も比較的分かりやすく、良かったと思います。でも、ヘリコプターは正直大したことないかなと思ってしまいました。売り文句に期待し過ぎたのだろうか…。あれが本物でもハリボテでも、そんなに変わらなかったかなぁと思います。でも、重要な別離のシーンなので、演出に重きを置いているのはよく分かります。 ミュージカルとしては観終わって満足、という感じなのですが、どうにもストーリーが気に入らない。ミュージカルには、歌って!踊って!という感じで、ストーリーはあんまり重要じゃないというものが多々ある。でも、ある程度ストーリーにこだわりがあって、人間関係とか感情の機微とか、そういうものをミュージカルの中で表現しようとするならば、やはり説得力があってほしいと思ってしまいます。時間や表現方法に制約がある中で、それをどれだけ表現できるかというのは難しいことだと思うけど、私はある程度分かりやすくそういうものが表現される方が好きです。なぜクリスがキムに惹かれたかというのは、ある程度分かると思う。でも、なぜキムがクリスに惹かれて、あそこまで信じることができて、強くなることができて、自己犠牲を払えるのか、は分からない。それから、キムの強さはクリスへの愛なのか、子供への愛なのか、それがどの辺りでスイッチしていくのか…は自分で考えなくちゃいけないのかな。とりあえず、気が弱くなっていた男の単なる過去、みたいな立場に置かれちゃったら、女も子供も人生どうしてくれんのよ、って感じよねぇ。うん、勝手だ。あまりにも勝手だ。このミュージカル全体で表現したかった最も重要なものって何だろう??あちこちに「究極の愛」って書いてあるけど、そうかなぁ???女の愛の純粋さよりも、男の身勝手さの方が印象に残る。パパにやだやだと思われながら、パパに引き取られていく子供は悲惨だよねぇ。それに、なんだか…願っても祈ってもがんばっても叶わないことは結局叶わないのよ、って言われてるみたいでなんかなぁ。全てがハッピーエンドであれなんて言わないけど、少しは希望がほしいなぁ、と思いました。 ■ 2004年8月31日(火) 17:00 「FUTURE w/z MODERN MILLIE COM.PA.NY 〜fellowship of fably〜」@アートスフィア 出演:森山未來、モダンミリィ メンバーズ(講師・生徒・他) ダンス好きです。たぶん音楽があるからだと思う。無音で踊っても、きっとそこにリズムが流れているから、音楽につながっているような。でもダンスのことを全然知らないので、踊っている人やダンスをよく知っている人のような観点からのレポは、まるで書けません。なので、ほんとに独断と偏見で。 モダンミリィの公演を拝見するのはこれで4回目。2001年の第8回公演から、第9回、第10回と、神戸で。そして、今回は初めて東京と神戸での公演。森山さんのダンスが好きなので、観に行っています。それから、基本的には発表会だと思うんだけど、皆さんのレベルが高く、いろんなダンスが楽しめて面白いので。 今回の公演は、モダンミリィの定期公演とはちょっと位置付けが違うかもしれないんだけど、ほぼいつもと同じような雰囲気でした。ジャンルは、ジャズ、タップ、ヒップホップ、バレエ、アフリカン…という感じです。森山さんの出演演目としては、クラシカルなジャズから、マイケル風、ファンクタップ、ヒップホップ、それから、アフリカンダンスの前にはジャンベ(太鼓)を叩いてました。叩いてました、っていうと音楽的な響きがしないかもしれないけど、演奏してました、というのは、ことば的になんか似合わない。叩いてました、と言ってこそ、なんか魂こもってる感じね。以前、ジャンベがほしい。とおっしゃっていたので、買ったのかなぁと思ったり。 印象として。森山さんのお師匠様である佐竹さんの作品は、クラシカルなジャズというかスウィング感というか、いつもリズムの流れ、体の動きの流れを、美しく見せるダンスのような気がします。(でもとても面白い方のようで、関西人ここにあり。みたいなパワーを見せていただきました。)その作品の中の森山さんは、手足の長さと全体のしなやかさを存分に生かして、それはそれは美しい。森山さん出演ミュージカルの振り付けを担当されたりした宇田さんも、森山さんの先生のお一人だと思うんだけど、宇田さんの作品は、キレ!ワザ!って感じで、ジャンプとか。なんか爽快な感じです。(でもやっぱり、宇田さんもとても面白い方のようです。)その作品の中の森山さんは、かっこいい系。跳躍力とか、ダイナミズムといいましょうか。バネな感じ。 森山さんのダンスはどんなジャンルを踊っていても好きですが、もしかしたらファンクタップが一番好きかな。何って、表情がいい。タップは足技ですね、その動きが上半身まで伝わって(というか、連動してないと変だけど)、腕が動く。決まった動きもあると思うけど、かなり自由に動く。そして顔、自由に動く。リズムに合わせて、くるくると変わるその表情がほんとにいいのです。初めて森山さんのタップを観た時にも、たのしそーっ!というのが一番の印象。7、8人だったり、今回はもっと多かったかな、結構な人数で一緒にリズムを刻むのですが、全員がばしっと決まった瞬間の気持ち良さったら無い。観ていて気持ちいいんだから、踊ってる方はもっと気持ちいいに違いない。それが伝わってくる。森山さんはヒップホップを踊ってもかなりかっこいいですが、体型が細すぎるかも…。(と、今回は思った。)しなやかすぎなのか。少しごつい方がヒップホップは似合うかもしれません。全く個人的な見解だけど。 森山さんを知った当初は、その存在に感動しすぎて我を失ってた感があったのですが(笑)、ちゃんと我に返っている今も、本当にすばらしい方だと思っています。役者さんとしても大躍進中ですが、私は彼のダンスが好きです。なぜか、心を揺さぶられる瞬間があるんですよね。今回は落ち着いて観ていたし、きっと大丈夫と思っていたんだけど…やっぱり感極まって泣いてしまったところがあった。なんでしょう、表現力。伝えたいものが体からぶわーっと発せられている瞬間かな。やっぱり表現者なんだろうと思います。ダンスで私を泣かせるのは森山さんぐらいしかいないだろう、と今のところ思います。たぶん自分の持っているものに、何か響くものがあるんだろうとは思いますが。不思議なことですね。彼のダンスを末永く観続けていたいと思っているのです。おじいちゃんになってかっこいいタップを踊っているところを観たい。(おばあちゃんになった私が、隣には大好きなおじいちゃん。そして一緒に森山さんのダンスを観る。っていうの、夢なんだけど。) 森山さんをTVやスクリーンでしか見たことが無い方は、ぜひ一度生でダンスをご覧になることをおすすめします。寸分の狂いもなく連続でターンをしている時、暗いステージ上、照明に光って舞い散る汗が本当にきれいです。CGかと思うぐらい、ウソみたいにきれいです。スクリーンより全然すごいから、ぜひ。 ■ 2004年8月7日(土) 13:00 「お気に召すまま」@彩の国さいたま芸術劇場 大ホール 作:W.シェイクスピア/翻訳:松岡和子 演出:蜷川幸雄 出演:成宮寛貴、小栗 旬、菅野菜保之、高橋 洋、月川勇気、大石継太 他 蜷川さんの作品に興味があるのはもちろんだけど、今回はまず成宮くんの芝居を見たいなと思いました。ドラマにもいろいろと出て結構アイドルな感じの人気だけど、雑誌とかサイトとかで、芝居をすることがすごく好きになってきて、かなりやる気なのだ。というようなコメントを見て、ほんとに芝居が好きそうな感じが伝わってきた。「ごくせん」は全然見てなかったんだけど、NHKの夜ドラマにちょこっと出てたのとか、なかなかいいなぁと思ったし。それから、前に「ハムレット」のレポにも書いたけど、小栗くんの芝居もじっくり見たいなと思いました。「ハムレット」ではほんの少ししか登場しないし、その時は残念ながらこれといって印象に残るものがなかったので。 かなり余談ですが、開演前に蜷川さんに遭遇しました!彩の国さいたまの大ホールの1階正面入口には中央と左右に出入り口があるんだけど、私は1階の左側の席だったので、左の入口から入ろうとしていたその時、そのすぐ左側にあった関係者以外立入禁止のような扉が開き、蜷川さんと関係者らしき男性が談笑しながら登場。私、びっくり。「うわー、世界のニナガワだ!!!」と思って一瞬固まったけど、当然話しかけるわけにもいかず、なぜか軽く会釈。たぶん蜷川さんには私は見えてなかったと思います(笑)おだやかーに談笑されていて、とってもすてきな方でした♪ 全体的な感想としては、とても満足です。話も面白かったし、芝居も良かったし、美しかった。始まってみると、やっぱりほとんど蜷川さんファミリーというか…「ハムレット」やら「オイディプス王」に出ていた役者さんたちなので、一瞬変な感じがしたというか(笑)、自分の中で一番間近だった「オイディプス王」がよぎりました。 まず成宮くん。ロザリンド、女性の役です。いやー、美しい。そしてめちゃめちゃかわいかった。これは、役作りのトレーニングっていうか稽古の賜物なんだと思います。(ご本人がかわいい方かどうかは知らないので。笑)実際の声は低いので、多少高めに発声しているかなという気はしたけど、無理して高くしたりはしない。(男性の振りをする時に低い声で台詞を発するとこがあるので、それとメリハリをつけてる程度の高さ。)でも、その高くない声が気にならないというか、全体がとてもかわいらしくて。見えます、かわいい女の子に。始まってしばらくは、セミロングぐらいのウェーブのかかったブルネット(黒?)のウィッグに女性メイクでドレスを着てるから、とにかくきれい。元々が美しいので、メイクが良く映える。大きな口がパクパクと快活に台詞を発するのがまたかわいい。全編通して、とにかく仕草のかわいさは秀逸。(蜷川さんに相当しごかれたのでは、と思われる。)手の動きとか、座り方とか、座った時のひざの角度とか、そんな細かいとこが、いちいちかわいい。んー、がんばりましたね、ほんとに。シーリアとの会話はまるで少女漫画みたい。でもそれが有り、っていうか。女の子同士の会話なんて、あんなわざとらしい感じがなんが逆にあり得る感じで。とにかくかわいかった。(シーリアは月川勇気さんでしょうか?なんか…私の叔母に似てました(笑)話し方とか。少女役なのに叔母っていうのは申し訳無いんだけど、ほんとにいそうな女性だったということで。) そして小栗くん。オーランドー。見た目も役者の大事な要素だと思いますが。小栗くんは「ハムレット」の時よりやせましたか?ドラマなどの印象はかわいい感じかなと思うんだけど、今回は超ほっそりだし、かわいいというよりかなりかっこいい系でした。レザーのぴったりパンツとかめちゃめちゃ似合ってて、ビジュアル系かと。とにかく、顔が小さすぎる。足が長すぎる。そして細すぎる。9頭身ぐらいありませんか??ディズニー作品に出てくる王子さまのようでした。周りを取り囲むのは顔の大きな舞台役者さんらしい役者さんたち(古典芸能もそうですけど、伝統的な舞台ってその方が良しとされてますよね。)、その中で小栗くんはかなり浮く。その浮き具合が王子さま度合いを増していて、なんとも絶妙で良かったです。芝居も王子さまらしく、かなりさわやか。兄弟との確執に苦悩しつつ、ロザリンドへの愛に叫びつつ、おぼっちゃんらしくあったかい空気を醸し出しつつ、その青臭さというか何というか、独特のキャラクターを作り上げてました。たまに天然入ってる感じのとぼけた感じが、ぽあーんとしてまた良かったです。じいやみたいな人と一緒に旅に出るというか逃げるというか、そういうシーンがあるのですが、歩けないじいやをかつぎます。トランクを3個ぐらいかついで、しかもじいやを1人かついで、あのほっそーい体のどこにそんな力が!って感じで、会場は拍手喝采でした。トランクの中身が空でも、あれは簡単にできないと思う…すごかったです。 そんな中、ぶっちゃけ納得がいかなかったことを少しだけ。オーランドーとレスリングの試合をするでっかいレスラーがいるのですが…(どなたでしょうか。)、あの芝居は納得いかない。というか、明らかにひとりだけ浮いてたと思います。芝居のテンポや間合い、台詞まわしが、ひとりだけかみあってない。あれは敢えて、じゃないと思うんだけど…。笑わせる場面も笑えない。蜷川さんはあれで良かったのかなぁ。私は納得いかないんだけど。それから、よく分からなかったこと。最後の方にでっかい福助??が降りてきたとこ。ナレーションが福助さんだったの??勉強不足ですみませんね。でも何だか分からなかったのと、あそこであれが降りてくる必要があったのかどうか全然分からない。原作にはあれに該当するような何かがあるんですか??? まとめとしては、全体的にはとても満足です。ロザリンドとオーランドーのツーショットはそれはそれはお似合いで、ダンスしててもほんと少女漫画かディズニー映画みたいだし、結婚式のキスシーンなんて美しすぎてドキドキしちゃいます。うっとりするとこはうっとりと、びしっとしめるとこはびしっとして、メリハリのある良い作品だったと思います。成宮くんにはぜひぜひこれからも女性役をやってほしいです。美しいことを生かさないのはもったいない。いろんな役をやってみたそうなので、もちろん女性役に限らずいろんな役にチャレンジしてほしいですが。私はぜひまたかわいい女性役を見たい。 ■ 2004年6月6日(日) 14:00 「オイディプス王」@シアターコクーン 作:ソフォクレス/翻訳:山形治江 演出:蜷川幸雄 音楽:東儀秀樹 出演:野村萬斎、麻実れい、吉田鋼太郎、壤晴彦、川辺久造、三谷昇、菅生隆之、瑳川哲朗 他 大学生の頃にラテン文学の授業を取っていて、担当教授はギリシャ人よりギリシャに詳しいというギリシャオタクな、でも博学で熱心で素晴らしい先生だったのですが、「オイディプス王」も勉強しました。その時に使ったテキストは、普通に岩波文庫のうすーい「オイディプス王」で、そのまま取ってありました。自分的には、結構学ぶところが多かったというか、ギリシャ悲劇とかギリシャ哲学深いなと思っていたのです。舞台を観る前に、読み直してストーリーを思い出しておこうと思っていたのですが、結局当日まで読めず行きの電車の中で読み直しました。でも、少し読み始めると、記憶が一気に蘇るというか、重要ポイントをしっかり思い出すので、上手い具合にかいつまみ読みができました。いろんな書き込み…チュケー、ドラマティック・アイロニー、真理、アレース、ダイモン、発見…んー、深い。 まず、始まって早々に思ったこと。テンション高すぎ…。ずっとこのテンションのまま行くのか???ということでした。ギリシャ悲劇には本編の構成にも出演者にも形式があって(私もちょこっと勉強しただけで、全然詳しくないので厳密なことは知りません。)、全体的な進行をするコロスという人々がいます。要はコーラス隊です。(ソフォクレスの時代には、歌ってたか語ってたと思うんですけど。)その20人ぐらいのコロスが、叫ぶ叫ぶ。全員で、時には一人ずつ、叫ぶ。私にはコロスのイメージって、背景なのです。状況説明やストーリーのバックグラウンドを解説する、BGMのように漂うイメージでした。時には叫んでもいいんだけど、ずっとあのテンションだと、すっごい主張してるなーという感じで。蜷川さん的解釈なんだと思いますが、私的には聴いててちょっと疲れる感じでした。全体的にはトーンが落ちるところもあったので、ずーっとではありませんでしたが。 作りとしては、アテネ公演を想定しているなと思わせるところ(視覚的な部分で)が多かったです。そして非常に日本的です。コロスは僧侶のような感じだし、衣装も袈裟や凡字のイメージ。首に神垂(しで)(四角い紙が連なっているような、神社とかにあるやつ?)のようなものがぶら下がってたり、蓮?があったり。この日本的な演出は私は悪くないと思いました。ギリシャ悲劇の持つ様式美のようなものと、日本的な様式美はしっくり来るのです。萬斎ハムレットも非常に日本的な演出でしたが、あれは外国人好みの日本というか、ちょっと過剰なオリエンタリズムだったように思います。シェイクスピアを日本仕立てにしたがる人が結構いますが、んー、どうなんでしょうね。上手くまとまればいいんでしょうけど、ギリシャ悲劇のようにしっくりは来ないと思います。 萬斎さんて顔は小さくない方だと思うのですが(歌舞伎や狂言のような日本の伝統芸能には、顔は大きめの方がいいんですよね。)、今回の衣装ではすごく小さく見えました。肩からそのまま裾に向かって広がるので、堂々たる風格。しかも白なので、膨張色で大きさを出す効果もありつつ、繊細さも同時に表現できる。コロスの黒&赤に対して、オイディプスとイオカステは白なんですよね。肩書きだけではない身分の違い、みたいなものがきれいに表現されていました。 私は萬斎さんのあの変な声(すみません。でも誉め言葉です。)も好きなのですが、萬斎ハムレットの時と同様、やっぱりいいなと思いました。何よりも個性。例えば他に、堂々たる王を演じるなら、もっと野太い声の人でもいいんだけど、萬斎さんにはあの風貌とあの声が醸し出す何かがあります。その何かが私には心地いいんでしょうね。 そして、麻実れいさん、めっちゃきれいでした。顔が、とか、スタイルが、ということではなく、放っている雰囲気が。うつくしー!って感じでした。学生時代に勉強した時にも思ったけど、イオカステって年齢設定が微妙です。だって、オイディプスのママであり、奥さんになるわけだから。まぁ、この時代にはどのぐらいで結婚したり子供を産んだりするのか知りませんけど、15才で産んでても、オイディプスが白髪が少し混ざってくる頃なんて言ったら、せめて30才は越えていたとして、45才ですもんね。でも母であり妻であり、を、有りかも、と思わせる存在感だなと思いました。元々の劇作でもそうですが、イオカステが自殺してしまうシーンは実際に演じられず語られるだけ、というのが、最後までイオカステの存在を神々(こうごう)しくしているなと思います。 これはどうなんだろう。と思ったことがあるのですが(演出とかにではなく、自分?に)。劇中、最も感極まったのは、オイディプスが二人の娘アンティゴネとイスメネと別れるシーンだったのです。泣いてしまいました。そして、私だけではなく、会場のあちこちからすすり泣きが聞こえてました。でも!オイディプスの悲劇全体から言ったら、ほんの小さいシーンだと思うんです。なのに、子供や別れっていうだけで、泣かされてしまうんだ…っていう自分に、とか日本人に?人間に?なんだかなぁ、と強く思いました。このお芝居全体で、ここかい??みたいな。確かに、強く気高く、また激情的だったりするオイディプスが、最後にやっと人間らしく弱い面を見せる、という意味では泣いてもいいんだろうけど、自分の中ではなんか違う。という印象なのでした。 特筆すべきは、カーテンコール。萬斎さんと麻実れいさんの決めポーズの美しさです。ステージ中央の階段状のセットで一度、立膝ぐらいのオイディプスに、ほぼ横たわるように寄り添うイオカステ。そして次に奥の扉部分で、立っているオイディプスに、立膝ぐらいの高さで寄りそうイオカステ。美しすぎる。ため息がもれるってこういうのを言うんだな、って産まれて初めて実感しました。実際に会場からため息もれてました。悲劇なんだけど、なんだかんだ言っても、最終的には愛は強しかしら…なんて思ってしまいました。あの美しさで表現されているのは、愛、だと感じました。 ■ 2004年5月30日(日) 14:00 「狐狸狐狸ばなし」@本多劇場 脚本:北条秀司 演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ 出演:ラサール石井、篠井英介、板尾創路、六角精児 他 ラサール石井さん演出の「ライアー・ガール」を観てから、演出家・石井さんのファンです。ラサール石井さんが企画をする「は・ひ・へ・ふ・ほ」というシリーズがあって、「へ」の寄席「らさある亭」、「ふ」のミュージカル「fu・fu・fu」を観まして、今回は「ほ」のはずなのです。(ちなみに、「は」は三人芝居「No.2」、「ひ」はコント「パンタロン同盟SP」でしたが、「ライアー・ガール」の頃には既に終わっていました。)が、公演そのものには「ほ」である旨は全く表記がありませんでした。ていうか、覚えてるのは私だけなの??? とりあえず、最初と最後に舞台前にスクリーンが下りてきて、映画のようにキャスト紹介などが出てたのですが、それがめちゃめちゃかっこよかったです!CGばりばりな感じで、音も含めて超スタイリッシュ。こういう仕掛けで、一気に別世界へ飛ばしてくれるのですねぇ。でも、まぁ。本編の雰囲気とは全然違います(笑。そこがまたわざとらしくて良かった。私は好きでした。本編は時代劇風というか、昭和っぽいところで昔の話をするという設定で、昔の部分は全体的に衣装は着物です。 まず、初めて拝見したのですが板尾さんかっこよかったです。色男の役なのですが、まぁ、着物がばりっと実にお似合いでした。篠井さん、拝見するのは2回目なのですが、2回とも女性役です。(前回は「ハムレット」のガートルード役。)衣装はロングのフレアーパンツにショールを羽織るような感じでエレガントなのですが、特にウィッグをかぶるわけでもなく、さばさばした感じの女性役でした。男性役の篠井さんも見てみたいです。そして、逆に石井さんは、手ぬぐい屋の男主人なんだけど、京風で女っぽい役でした。とてもかわいかったです。 私は元々のお話は知らなかったのですが、たぶん結構古典的な作品なんですよね?以前「Don't Trust Over 30」を観た時に、ケラさん的笑いは私にはちょっと会わないかなと思い、今回もその感は否めません。でも、これは趣味の問題です。時々趣味に合わない笑いもあったのですが、全体的な雰囲気は良かったと思うし、何よりも役者さん達が芸達者というか、それぞれの役をよく魅せているなぁという印象で面白かったです。 ■ 2004年5月9日(日) 14:00 ミュージカル「キャンディード」@東京国際フォーラム ホールC 原作:ヴォルテール 作曲:レナード・バーンスタイン 演出:宮本亜門 指揮:デヴィッド・チャールズ・アベル 出演:中川晃教、鵜木絵里、幸田浩子、岡幸二郎、宮本裕子、新納慎也、坂元健児、佐山陽規、市川和彦、郡愛子、辰巳琢郎 他 宮本亜門さん演出を一度生で観てみたかったので、行ってみました。ミュージカルというより、オペラとかオペレッタって感じです。これといってダンスは無いのです。まぁ、バーンスタインなのでかなりクラシック寄りで、全然いいのですが。オケピが良く見える席で面白かったです。 観終わって楽しかったかというと、そうでもありません。そもそものお話が宗教臭いというかお説教臭いのです。後は、アメリカ人好み?な感じで、世界各国を巡る冒険活劇風というか何というか、そういう感じなのです。なんだけど、内容は哲学的メッセージに溢れているんですね。だから、古典派のオペラみたいなバカバカしい感じでもない。なので、ストーリーからしてまるごとエンターテインメントにはなり得ない感じ。格調の高さを残しつつ、エンターテインメントに仕立てる。みたいな。難しかろうと思います。 私はクラシックに馴染みのある人間ですが、そうねぇ。時々、いかにもバーンスタインという感じの音もしているんだけど、曲たちはそんなに私好みというわけでもないような。私はちょっととんがった系が好きなので、この「キャンディード」は比較的クラシカルという印象でした。でも私は特にバーンスタインに詳しいというわけではないので、薀蓄は語れません。 主演の中川さんの歌を一度聴いてみたいなと思っていたので、それも目的のひとつでした。声質が魅力的だと思います。台詞の時の声がいいなぁと思いました。キャンディードの役に合っていると思ったし、メリハリもあって良かったと思います。歌もいいのですが、特にびっくりするほど印象に残る感じではありませんでした。 岡幸二郎さんも好きなので楽しみでしたが、キャンディードとカカンボ?のキーが、おそらくいつもの岡さんのキーぐらいだったので、岡さん演じるパングロスはもう少しキー設定が低いのです。なので、岡さんの美声を堪能できるシーンはあまり無かったような気がします。 ■ 2004年4月18日(日) 17:30 ミュージカル「スター誕生」@青山劇場 脚本・演出:ラサール石井 出演:今井絵理子、島谷ひとみ、仲間由紀恵、加藤茶、布施明、中尾ミエ、森公美子、諸星和己、森山未來、ROLLY 他 4回目の鑑賞。千秋楽らしく盛り上がってましたが、出演者の「最後だから」なアドリブが多かった。自分で笑っちゃった人とかも多かった。まぁ、印象が悪いようなことはなかったので、千秋楽だけ観た人は変な感じ。ということもなさそう。 特筆すべきこと。4回目の鑑賞にして初めて!最初の群舞のところで、森山さんがセンターで踊っていらっしゃったのを発見。くぅぅぅぅぅ(>_<) この回は席がまさに真ん中、センターブロックで、しかも前過ぎずしっかり見えるすばらしい席だったので、よく見えたのです。のびたくんのような格好をしてるので、今まで全然気が付かなかった!ちゃんと見えるところで観ると、ダンスが群を抜いているのがよく分かる。踊っている人数は70〜80人ぐらいだったでしょうか。その中で森山さんをセンターにする石井さんは、本当によく分かっていらっしゃる。そのことに、改めてものすごく感動しました。 森山さんの歌について。残念ながら、ロングトーンの同じ所でどうしても音がひっくり返る。私が4回観て、ばっちり成功したのは2回目だけでした。必ず同じ所で。って、その出し方が難しいんだろうか。ちょうど乾燥してくるところとか。でも失敗っていうほどじゃないんです。美しい歌声なので、そこだけちょっと気になる、というぐらいで。これからもぜひ歌ってください。 それから、3回目と4回目の横っ飛びはあんまり爽快ではありませんでした。(私は何を観てるのか。って感じですが。笑)当たってなかったもんなぁ。そろそろ「痛い」って言われたのかなぁ…。 とりあえず、4回鑑賞しましたが、しばらくして…また観たいなぁと思ってきてしまいました。再演はあり得ないだろうけど。お祭りミュージカルではあったけど、とっても良かったと思います。私はやっぱり石井さんの演出が好きです。 ■ 2004年4月18日(日) 13:00 ミュージカル「スター誕生」@青山劇場 脚本・演出:ラサール石井 出演:今井絵理子、島谷ひとみ、仲間由紀恵、加藤茶、布施明、中尾ミエ、森公美子、諸星和己、森山未來、ROLLY 他 3回目の鑑賞。特筆すべきことはないんだけど、3回目でもちゃんと面白かった。 ■ 2004年3月28日(日) 13:00 ミュージカル「スター誕生」@青山劇場 脚本・演出:ラサール石井 出演:今井絵理子、島谷ひとみ、仲間由紀恵、加藤茶、布施明、中尾ミエ、森公美子、諸星和己、森山未來、ROLLY 他 2回目の鑑賞。席が良かったので(右サイドですが7列目)、出演者の表情までよく見えました。(1回目は2階席で全体をチェック。な感じでしたが。) なんだか1回目より感動してしまうところが多かった。布施さんと加藤さんそれぞれの、父と娘のシーン。1回目よりも何だか深みが出ているみたいで、涙が出てきました。 途中「ドリフのズンドコ節」があって、このシーンは出演者がほとんど総出でバックで踊っているんだけど、敢えて無表情なのです。ここの森山さんの無表情ぶりはすごいです。なんか役者根性を感じるというか、なんでしょうね。気になって目が離せないほど無表情です。 このズンドコ節のところ、今回は結構感極まりました。つい先日いかりや長介さんがお亡くなりになって、その一時代を振り返る感じがとても強かったし、出演者達にもとても大切に歌って踊っているその意思が感じられました。 そういえばですが、前回劇中劇の中で森山さんが衣装のハイソックスを上げ直していたのはアドリブだったみたい。今回はしてなかった(笑 それから、やはり劇中劇の戦いのシーンで、森山さんが敵に蹴りを入れるところがあるのですが、かなりの飛びっぷりですばらしいです。お気に入りのシーンです。横っ飛びで”両足で”相手の肩のあたりに蹴りを入れるのです。ダンサーだからあんなに横っ飛べるのでしょうねぇ…。(蹴られてる方はちょっと痛いでしょうが。でもきちんと加減してあれだけ飛べるのはすごい。) 日曜で完売満席だったこともあるけど、出演者全体でメリハリの出し方とかお客さんの乗せ方を心得てきたみたいで、会場全体が結構盛り上がってました。曲中に起こった手拍子も多かったし、最後は客席スタンディングでした。観終わって、面白かったーって言える心地良い感じでした。 ■ 2004年3月21日(日) 14:00 「シブヤから遠く離れて」@シアターコクーン 作:岩松了 演出:蜷川幸雄 出演:二宮和也、小泉今日子、勝村政信、杉本哲太、蒼井優、勝地涼、清水幹生、立石凉子 他 総合的な感想としては、正直あんまり面白くなかった。と、よく分からなかった。日常を得意とする岩松氏と、非日常を得意とする蜷川氏、の組み合わせが新しい試み。ということのようでしたが、それが良いのかどうか私にはよく分からなかった。(新しい試みってすごく大事だとは思うんですけどね。)登場人物がみんなイライラしていて、それぞれのフラストレーションが理解できるものやら理解できないものやら、次元が同じものやら違うものやら、が混沌としているのです。でもその混沌は非日常的な壮大ものではなく、その辺にありそうな雰囲気のものなのです。 終演後に近くで会話していた人が「1回目よりは少し分かった」と言ってました。熱心な(ニノくんの?)ファンなのでしょう。そうか、2回見たらもう少し分かるのか。でも、私はもう1回見ても同じような気がするなぁ、と思いました。最後まで、設定というか状況がよく分かんないとこがあるんだもん。(私の理解力の問題かもしれないが。)人間ドラマって感じはするんだけど、それぞれの人物に思いっきり感情移入できるほど、それぞれの個性が明確ではない気がする。それが日常的、ということなのかもしれないんだけど。 キャストで言えば、やっぱり勝村さんはすごいなぁと思いました。キャストの中で私が唯一、誰かが誰かを演じている、と感じなかった人です。それが演技力ということなのかなぁ。自分のものにしているというか。勝村さんは以前、市村正親さんとの二人芝居「ストーンズ・イン・ヒズ・ポケッツ」で初めて見て、すっごいなーと思いましたね。あれはお二人ともすごかったけど。出演者二人なのに、舞台上には15人ぐらいいましたね、ほんとに。勝村さんは、名バイプレイヤーというほど目立たないと思うんだけど、これからもいろんな役を観てみたいと思いました。 主演の二宮くん。私は蜷川さんと組んで絶賛された映画「青の炎」(や、他の映画)を観ていないので、映画はどう、舞台はどう、という観点では感想を言えないんだけど、まだあんまりよく分からないような気がする。繊細な演技をする人だなぁ、とは思いました。私が感じた演技のパターンはおそらくちょっと単純なんです。難しい形容をしてしまうけど、音程で言えば、下のドと上のドで演技をしている。そして、その下のドに幅の細かいビブラートをかける、上のドにも幅の細かいビブラートをかける、ような感じ。その演技の幅や表現のビブラートが、彼のサイズなのだとしたらちょっと物足りないので、これからもっともっと成長していかれることでしょう。でももしそれが、彼が自分で「今回のこの役はこの幅だ」とコントロールして表されているものだとしたら、ものすごいことなのかもしれません。いずれにしても、私的には、その表現のビブラートは今の私に響いてくるビブラートではなかった。良し悪しではなく、私の感じたいものとして。です。 注目している勝地くん。良かったと思います。TVや映画で観ていて、繊細な演技をする人だなぁと思っています。でも、今回の舞台ではあまりそうは感じさせなかった。どちらかというと、堂々として王道を行っている感じで、大きいなぁと思いました。それは、二宮くんの繊細さに対応するものなのかもしれません。やっぱり、もしそれが役者二人で自然に表せたものだとしたら、すごいことかもしれません。でも蜷川氏の演出のなせる技なのかな。そんな風には思いましたが、特にこれは絶対勝地くんじゃなきゃ、と思わせる役でもなかったので、これからもっと彼の芝居が堪能できるような役をいろいろと観てみたいと思わせます。 セットはずっと変わらず、廃墟のような家のまま。そういえばですが、カーテンや、孔雀の絵、本、ぶどう、鳥、など、結構小物がいろいろとキーになっている舞台でしたね。芝居らしくて良いかもしれません。 まとめとしては、悪くはないけど、私としてはこれといって。という感じです。 ■ 2004年3月17日(水) 18:30 ミュージカル「スター誕生」@青山劇場 脚本・演出:ラサール石井 出演:今井絵理子、島谷ひとみ、仲間由紀恵、加藤茶、布施明、中尾ミエ、森公美子、諸星和己、森山未來、ROLLY 他 私のイメージでは、ミュージカルって「お芝居が、音楽と踊りになっている」という感じなんだけど、「スター誕生」は「お芝居の中に、音楽(と少し踊り)がある」って感じでした。そういうのも確かにミュージカルなんだろうけど、ミュージカル然とはしてなかったな。あれだけの出演者(主に歌手メイン)を揃えて、あれだけの楽曲を(おそらく)使わなくちゃいけなくて、石井さんはきっと、楽しみつつも制約やプレッシャーと戦っていたのではないかと、勝手に想像してしまいます。 主演3人は演技も歌もそれぞれらしくって良かったと思います。TVやコンサートで活動している方々だけど、舞台上でこじんまりとせず、きちんと舞台らしい立ち居振舞いというか、サイズに合った動きというか、ができていたのは、演出のなせる技だろうと思います。加藤さんは、台詞は棒読み風なんだけど、ボクトツとしていて、あれはあれでいい味だなぁと思いました。 私のお目当てである森山さんは、予想よりは出演シーンが多くそれはそれで良かったんだけど、残念ながらあまり個人的な見せ場はありませんでしたね。ダンスシーンがあまりなかったのが本当に残念。人をあっと言わせるダンスの才能があるのに、普通に踊れる人。ぐらいのレベルのダンスシーンしかなかったと思う。ただ、ちょっとだけマイケル入ってる風な衣装があって、なんだか嬉しそうに見えた(笑 劇中劇のシーンでは、踊っている(というか集団で動いている?)間に衣装から刀のサヤがだんだん外れていってしまって、ドキドキでした。(最後完全に外れちゃったけど、なんとかなったみたい。)あと、あれは演出なのかもしれないけど、劇中劇の最中に衣装のハイソックスを上げ直していて、ちょっとおかしかった(笑 久々に共演の伊藤明賢さんとからみのシーンが多くて、何だか実に楽しそうだったのが伝わってきました。 意外と言ったら失礼かもしれないんだけど、会場に諸星さんのファンがかなり多くて驚いた。お客さんの層はいろいろだろうなと思ったけど、普段あまり舞台で名前を見る人ではなかったので。(まぁ、私は光GENJI現役世代ですが…)ただ、諸星さんのファンばかりが劇中にかなりうるさくて、嫌な思いをしました。面白いシーンにうけるのはいいんだけど、程があるというか、会場の雰囲気を壊すのはやめてほしい。いろんな人がいろんな思いで観に来ているんだから、そういうのを妨げるような鑑賞態度はやめてほしい。マナーは守ってほしいものです。 あと3回観るので、特筆すべきことがあったら、それぞれ書こうと思います。 |
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